Box Relay と Box Sign を使って、グループ会社間でワークフローを回す

梅雨は中国では「黴雨」と書くのだそうですが、直接的な表現が米国っぽい感じしますよね。日本の「梅が咲く頃の雨」という詩的な感じに、直接感情を表現するのが苦手な国民性がよく表れている感じがいたします。
当社は Okta と Box の代理店でもあり・・・
そんなわけで、今日は少し趣向を変えて Okta Workslows で遊んでみようかというコーナーを書いていきたいと思います。
"Box は電子のゴミ箱であり、Slack はメールに続く次世代の悪夢"
元々ファイルサーバだった頃は、Windows のデスクトップにフォルダーのショートカットがベタベタ貼ってあり、という使い方をされてる方が多かったようで、どのフォルダーがどの階層にあるかなんてのはどうでも良い話しだったのですが、Box になりますと、この階層というのが割と厄介なものになります。そもそも Box はアクセス権が上から下に継承されていくものなので、特定のユーザだけに見せたいフォルダーは最下層にするか、ルート直下など個別にフォルダーを作らざるをえません。これは外部コラボレーションユーザにも言えるので、気をつけないととんでもないデータを外部に晒すことにも繋がってしまうわけです。
Box を使う上で最も気をつけている点は、「いかにファイルをそこから動かさずに運用するか?」に尽きます。折角Boxを使っているのに、ファイルを一回ローカルにダウンロードして、メールに添付、とか、電子署名システムにアップロード、とか、何か一番やっちゃダメなことが多く行われてる現場をよく見ます。DX はよりよい単機能製品を組み合わせるベストオブブリード構成か、Microsoftさんのように全てを1社でまるっとやりまっせという2択になりつつありますが、ベストオブブリードをDXで選択する企業は、いかにオーケストレーションを実現するかというクリエーターの存在が不可欠になります。
上に書いた図のように、Okta を使われてるユーザ様は、Box の認証も、Slack の認証も、Office365 の認証すら Okta に統合していることでしょう。そしていろんな連携をそれぞれのツールで考えられていることとは思いますが、少し目的別に Box や Slack 連携の考え方を見ていきたいと思います。
その前に Slack はチャットじゃなくて通知とステータス管理に使うべき
そして Slack などもチャットしようって考えて使い出すと、誰もが、探しきれないほどのチャンネルに埋もれて、バンバン飛んでくるメンションが、そもそも自分が回答すべきものなのかどうかも分からない状況に陥り、どのスレッドに何の会話があったのかを見つけることも困難になることにお気づきだと思います。
しかし、Slack はチャットルーツじゃなくて、コミュニケーションを通じて業務プロセスを動かすトリガーとなるべきものだと認識すると、業務がいかにスムースに回るようになるかおわかりになるかもしれません。
これからそんな事例をいくつかご紹介したいと思います。
オーケストレーションのための指揮者は Okta だが、その前に Box と Slack のワークフローについて語る
例えば当社では、当社の実印押印が必要な場合は、以下のような Box Relay がワークフローとして回ります。ワークフローはアップロードされたファイルを起点として開始されます。Box Relay は外部コラボレーションユーザにも Relay できるのが特徴ですので、当社と親会社の Box インスタンスは別でも上図のような当社フォルダーにアップロードされた契約書を動かすこと無く、親会社の複数の承認を経て実印押印をし、最終的に完了したら Slack に通知されるような仕組みを構築することができます。この際に、通知する先の Slack は通知先のチャンネルでメールアドレスを払い出し、そのメールアドレスを Box の外部コラボレーションユーザにしておく必要があります。割と裏技っぽいのと、通知があんまり美しくないという点で、Slack の通知は Okta Workflows の方が見やすく情報を通知することができます。
当社はこのように、Box Relay を用いて、見積や発注書への押印も Box Relay と Box Sign を用いて押印を行い、フォルダーからファイルを動かすことなく、押印処理が業務プロセスとして回るように構築しています。
Okta Workflows を使って、契約書がBoxにアップロード/されたら Slack に通知するようにもできる
- Boxで特定フォルダーのファイルアップローダを通じで外部ユーザからドキュメントをアップロードされた場合
- Boxで特定フォルダーに、他部署ユーザからアップロードされた場合
- Boxで特定フォルダーに、外部コラボレーションしているユーザからアップロードされた場合
- 他社Boxインスタンスのフォルダーに外部コラボレーションされている状態で、ファイルがアップロードされた場合
このようなケースで、Okta Workdlows を使って、Box アップロードを検知したら、そのファイルの共有リンクを払い出して、ファイル情報、共有リンクなどの情報を Slack に通知するということを次回の記事で書いていきたいと思います。