iOS 12 , watchOS 5 , tvOS 12 がリリース
アップデート内容のセキュリティについては後述しますが、エンタープライズ向けの機能制限項目としては、以下のような機能規制が追加になっています。特筆すべきは、別な記事にも追記きましたが、管理ソース制御における連絡先の制御を別枠でできるようになったこと!あと、早速 eSIM に関する設定も追加されていますね。
◆新しい機能制限用ペイロード設定
- 近接通信に基づくパスワード共有要求を許可(監視対象のみ)
- パスワードの共有を許可(監視対象のみ)
- パスワードの自動入力を許可(監視対象のみ)
- 日付と時刻を強制的に自動設定(監視対象のみ)
- USB制限モードを許可(監視対象のみ)
- 管理対象連絡先アカウントによる管理対象外アカウントへの書き込みを許可
- 管理対象外連絡先アカウントによる管理対象アカウントからの読み込みを許可
- eSIMの無効化(監視対象のみ)
◆新しい“メール”とExchangeのペイロード設定
- ユーザによるS/MIME署名の有効化または無効化を許可
- ユーザによるS/MIME署名証明書の選択変更を許可
- ユーザによるS/MIME暗号化の有効化または無効化を許可
- ユーザによるS/MIME暗号化証明書の選択変更を許可
◆新しいExchangeペイロード設定
- 認証にOAUTHを使用可能
◆新しい“通知”ペイロード設定
- グループ化された通知を許可
- Appによる重大な通知の送信の可否を指定可能
- CarPlayでの表示
◆新しい“設定アシスタント”のDevice Enrollmentをスキップするオプション
- iMessageとFaceTime、“スクリーンタイム”と“デバイスを最新に保つ”
- モバイル通信プランの追加
- 非管理者ユーザにソフトウェアアップデートのインストールを許可
iOS 12 リリース内容
- ユーザの操作により素早く機敏に反応するように、iOSを全体的に改良
- iPhone 5sおよびiPad Airに至るすべての対応デバイスでパフォーマンスを改善
- カメラの起動は70%高速化、キーボード表示は50%高速化、またタイプ入力の反応も改善(*)
- デバイスに高負荷がかかっている場合のAppの起動が最大で2倍高速化(*)
写真
- 新しい“For You”タブに“おすすめの写真”や“エフェクトの提案”などが導入され、ライブラリにあるたくさんの写真から素早く目的のものを探すことが可能
- “共有の提案”機能により、写真に写っている人たちと写真を共有するように能動的に提案
- 検索機能が強化され、複数のキーワード検索に対応、検索候補も賢くなり、より簡単に写真の検索が可能
- 撮影地、店舗名/会社名、または写真を撮影したときのイベントから写真の検索が可能
- カメラからの読み込み速度が改善、また写真を大きくプレビュー表示することが可能
- RAWイメージの編集に対応
カメラ
- ポートレートモードで、“ステージ照明”および“ステージ照明(モノ)”を使用したときに、被写体と背景間の詳細部分を保持するよう改善
- スキャンしやすいように、カメラフレームでQRコードをハイライトするよう改良
メッセージ
- ミー文字(まったく新しい、カスタマイズ可能なアニ文字)により、“メッセージ”で独自のキャラクター使ってより表情豊かで楽しいコミュニケーションが可能
- アニ文字にティラノサウルス、お化け、コアラ、トラを追加
- ミー文字およびアニ文字でウインクおよび舌を出す動作を認識
- 新しいカメラエフェクトにより、“メッセージ”で撮影した写真やビデオで、アニ文字、フィルタ、テキストエフェクト、iMessageステッカーパック、図形が使用可能
- アニ文字の録画が30秒まで可能
スクリーンタイム
- あなたやファミリーメンバーのAppやWebサイトの適切な使用時間を判断するための詳細情報やツールを提供
- Appの使用時間、Appカテゴリごとの使用状況、通知の受信数、デバイスを持ち上げた回数についての情報を表示
- “App使用時間の制限”で、あなたおよびお子様がAppやWebサイトで費やすことができる時間の長さを設定可能
- お子様のiPhoneまたはiPadの使用の仕方を、親/保護者が自分のデバイスから直接管理することが可能
おやすみモード
- 所定の時間、場所、またはカレンダーのイベントのあとで“おやすみモード”をオフにすることが可能
- “ベッドタイム中のおやすみモード”により、就寝中はロック画面にすべての通知を表示しないようにすることが可能
通知
- 通知の管理を簡単にするため、同じAppからの通知を自動的にグループ化して表示可能
- ロック画面から直接通知設定を操作可能
- 新しい“目立たない形で配信”機能により、サウンドやバナーを出さずに通知を通知センターだけに表示させることが可能
Siri
- Siriが使用可能なAppでSiriショートカットを使えば、今までよりももっと素早く作業を終わらせることが可能
- Siri対応Appの“Siriに追加”ボタン、または“設定”>“Siriと検索”で、ショートカットを追加可能
- ロック画面または検索内でショートカットの提案を表示
- モータースポーツの結果、スケジュール、Formula 1、Nascar、Indy 500、MotoGPの統計および順位表を入手可能
- 時間、撮影地、ピープル、最近行った旅行などで写真やメモリーを検索可能
- 40以上の言語の組み合わせで語句の翻訳に対応
- 著名人に関する事柄(例: 誕生日)や、食べ物に関する質問(例: カロリーや成分/原料)を調べることが可能
- フラッシュライトのオン/オフが可能
- 英語(アイルランド)、英語(南アフリカ)、デンマーク語、ノルウェー語、中国語(広東語)、中国語(北京語-台湾)でより自然で表現豊かな声が利用可能
拡張現実
- ARKit 2による共有機能により、デベロッパはほかの人とAR体験を共有できる革新的なAppを作成可能
- AR体験の保存/再読み込みが可能になり、デベロッパはAR体験を持続させることが可能
- オブジェクト認識およびイメージトラッキング機能により、空間を移動中に現実世界のオブジェクトを認識したり、イメージを追跡したりするツールをデベロッパに提供
- ARクイックルック機能により、仮想オブジェクトをNews、Safari、“ファイル”などの内蔵Appで表示したり、iMessageや“メール”で共有することが可能
計測
- 物体および空間を計測するための新しい拡張現実App
- 物体の表面や空間に線を引いて長さを計測し、線上のラベルをタップして詳細情報を表示
- 長方形の物体を自動的に計測
- 計測物のスクリーンショットの取り込み、共有、マークアップが可能
プライバシーおよびセキュリティ
- Safariの強化されたトラッキング防止機能により、Webサイトに埋め込まれたコンテンツやソーシャルメディア用ボタンが、あなたの許可なしにあなたを追跡するのを防ぐことが可能
- 広告主によるiOSデバイスの固有情報の収集を防いで、ターゲット広告の配信を減らすことが可能
- SafariおよびほとんどのAppで、パスワードの新規作成または変更時に、強力かつ固有なパスワードを自動的に提案
- パスワードを再利用している場合、“設定”>“パスワードとアカウント”で警告マークを表示
- セキュリティコードの自動入力機能により、SMS経由で送られた使い捨て(ワン・タイム)パスコードをQuickTypeバー上に表示
- “設定”>“パスワードとアカウント”から、AirDropを使用して登録済みの連絡先にパスワードを簡単に共有可能
- 認証済みのデバイスで、Siriにパスワードを尋ねることが可能
Apple Books
- まったく新しいデザインにより、本やオーディオブックを楽しく簡単に探して読むことが可能
- “今すぐ読む”機能により、現在読書中の本に戻ったり、次に読む本のおすすめを受け取ることが可能
- “読みたい”コレクションに本を追加して、次に読みたい本を管理することが可能
- 新しい“ブックストア”では、新刊、話題作、ベストセラー、Apple Booksエディターのおすすめなどから、お気に入りのブックをより簡単に探すことが可能
- 新しいオーディオブックストアでは、お気に入りの著者、俳優/女優、著名人のナレーターによる真に迫ったストーリーや有益なノンフィクション本などを探すことが可能
Apple Music
- 歌詞による検索に対応し、歌詞の一部を使って曲を検索することが可能
- アーティストのページが見やすいデザインに改良され、どのアーティストからでもパーソナライズされたステーションを作成可能
- 新しい“フレンズ・ミックス”により、友達が聴いている曲からプレイリストを作成可能
- 世界各国のトップ100曲を表示する新しいチャートを追加
株価
- まったく新しいデザインが導入され、iPhoneおよびiPad上で株価情報、インタラクティブなチャート、トップ記事を利用可能
- ウォッチリストに、一日の株価の推移が一目で分かる色つきの小さなチャート(スパークライン)を表示
- 各銘柄のインタラクティブなチャート、および時間外取引や出来高などの情報を表示
ボイスメモ
- より使いやすくなった新デザイン
- 録音/編集データをiCloud経由で各デバイス間で同期
- iPadで使用可能、横向きおよび縦向き両方に対応
Apple Podcast
- 番組でチャプタに対応
- 車内またはヘッドフォンで利用時に進む/戻るボタンで30秒進めたり、次のチャプタに移動することが可能
- “今すぐ聴く”画面から、エピソードの通知を簡単に管理することが可能
アクセシビリティ
- ライブリスニングがAirPodsに対応
- RTT通話がAT&Tで使用可能
- “選択項目の読み上げ”がSiriの声の使用に対応
その他の機能および改善
- FaceTimeのカメラエフェクトで、自分の顔をリアルタイムでアニ文字/ミー文字に変身させることが可能
- CarPlayで他社製のナビゲーションAppを使用可能
- Walletに追加した非接触型の学生IDカードを使って建物に入ったり、Apple Payで支払いをすることが可能(対応しているキャンパスのみ)
- “設定”>Safariで、iPadでタブにWebサイトのアイコンを表示可能
- “天気”に空気質指数を追加(対応している地域のみ)
- iPadで、画面の下端から上にスワイプしてホーム画面に移動するようにジェスチャを変更
- iPadで、画面の右上隅から下にスワイプしてコントロールセンターを開くようにジェスチャを変更
- マークアップに、より多くの色と、線の太さと各ツールの透明度を変更できるオプションを追加
- “設定”のバッテリー使用状況に、過去24時間または過去10日以内の使用状況を追加、バーをタップするとその期間のApp使用状況を表示可能
- 3D Touchに対応していないデバイスで、スペースキーを長押ししてキーボードをトラックパッドに変更可能
- 中国で、“マップ”が空港およびショッピングセンターの建物内部マップに対応
- ヘブライ語の辞書、アラビア語-英語およびヒンディー語-英語の二言語辞典を追加
- 新しい英語の類語辞典を追加
- iOSアップデートを夜間に自動的にインストールする機能を追加
iOS 12 セキュリティアップデート内容
- ローカルアプリが永続的なアカウント識別子を読み取る可能性があります(Accounts)
- Bluetooth 入力検証の問題で、ネットワーク上の特権的位置にいる攻撃者は、Bluetoothトラフィックを傍受する可能性があります(Bluetooth)
- メモリ破壊の問題で、アプリケーションがシステム特権で任意のコードを実行できる問題(Core Bluetooth)
- 権限の問題によって、カメラアクセスが許可される前に、現在のカメラビューに関する情報をアプリが知ることができてしまう問題(Core Media)
- 入力検証の問題で、アプリケーションが制限付きメモリを読み取れてしまう問題(IOMobileFrameBuffer)
- 入力検証の問題で、ネットワーク上の特権的位置にいる攻撃者が iTunes Storeでパスワードのプロンプトをなりすませる問題(iTunes Store)
- Kernel の入力値検証の問題で、制限されたメモリを App が読み込めてしまう問題(Kernel)
- メモリ破壊の問題で、App が任意のコードを実行できてしまう問題(Kernel)
- アプリケーションスナップショットの処理の一貫性問題で、ローカルユーザーが削除されたユーザーのメッセージを抽出できてしまう問題(Messages)
- アプリケーションスナップショットの処理の一貫性問題で、ローカルユーザーが削除されたユーザーのメモを抽出できてしまう問題(Notes)
- アプリケーションスナップショットの処理の一貫性問題で、ローカルユーザーがユーザーの訪問サイトを抽出できてしまう問題(Safari)
- ユーザーが訪問した履歴を削除できない問題(Safari)
- UI の一貫性の問題で、悪意を持って作成されたWebサイトにアクセスするとアドレスバーをなりすましされる問題(SafariViewController)
- ロジックに存在していた問題で、悪意を持って作成されたWebサイトで自動入力データを抽出できてしまう問題(Security)
- RC4 の脆弱性の問題で、攻撃者が弱点を悪用できてしまう問題(Security)
- ロジックに存在していた問題で、iOS デバイスに物理的にアクセスできる攻撃者がロック画面から最後にアクセスしたAppを特定できてしまう問題(Status Bar)
- メモリ破壊の問題で、悪意を持って作成されたWebサイトにアクセスすると任意のコードを実行できてしまう問題(WebKit)
- 複数のメモリ破壊の問題で、悪意を持って作成されたWebコンテンツを処理すると任意のコードが実行される問題(WebKit)
- frame エレメントに存在したクロスオリジン問題で、悪意を持って作成されたWebサイトでは予期しないクロスオリジンが発生する問題(WebKit)
- メモリ解放後処理の問題で、悪意を持って作成されたWebコンテンツを処理すると任意のコードが実行される問題(WebKit)
- Safariに存在したクロスサイトスクリプティングの問題で、悪意を持って作成されたWebサイトが画像データのクロスオリジンを抽出できてしまう問題(WebKit)
- メモリ破壊の問題で、予期しない ASSERT の失敗を引き起こす問題(WebKit)
- 入力値検証の問題で、制限されたメモリを App が読み込めてしまう問題(Wi-Fi)