Android で iPhone を使う!?
iPhone を止めて Android に行くには?
Apple サービスから移行すべき行き先を考える
もっと後期の iPhone ユーザであれば移行はもっと簡単でしょう。少し真面目に考えてみることにしようと、下記の通り書き出したら全身が脱力して無力感に苛まれました。Apple さんやっぱり凄いです。結局 Apple サービスを賞賛するような記事になってしまいますが、これもやはり現実w
Apple サービス |
内容 |
移行先 |
可否 |
音楽. |
iTunes に取り込んだCDなどの音楽と音楽配信サービスの Apple Music。筆者は取り込んだCDが6万曲以上あるので簡単に身動きできない事情があり、さらに有料 Apple Music(月額1480円)と、6万曲のCDをクラウド化できるサービス iTunes Match(年間3980円) をそれぞれサブスク契約して利用中。 |
Google Play Music、Amazon Prime Music (有料版含む)、Spotify 等の音楽配信サービスはあるが、CDから取り込んだ6万曲がクラウド化できることが条件のため移行は断念。Apple Music のサブスク契約をしていれば Android でも Apple Music と iTunes Match は使えるのでそのまま Apple Music で利用中。 |
⚪ |
写真 |
iPhone で撮影した写真および、Mac で Photos (旧iPhotoも含む)に取り込んだデータの移行先。筆者は iCloud Photo の 2T ストレージをサブスク契約(月額1300円)して、旧 iPhoto にあった写真や動画を含めて13万以上がアップロードされている。この iCloud Photo のために 2T を契約しているが、前段の iTunes Match で6万曲の音楽をクラウド利用するためのストレージ容量は含まれていない。つまり写真さえ移行できれば月額1300円は払わなくて済む計算となる。 |
これも大問題と思ったが、Amazon Prime ユーザである筆者には Amazon Photo を利用することで、割と簡単に解決できた。13万枚の写真と動画は iPhone からあたかもローカルにあるかのように閲覧ができるため、3日間かけて Ethernet 接続して写真同期を行い、全ての写真と動画を Amazon Photo にアップロードした。Amazon Photo は写真は劣化なくオリジナルサイズを無制限に保存できるが、動画は5Gまでなので、年間2490円で動画ストレージを拡張して利用している。iCloud 2T に比べると遙かに安い。 |
⚪ |
支払い (交通系含む) |
言わずもがなの Apple Pay。筆者はここに Suica と、クレジットカードを登録して ID , QuickPay , メルペイ , Pontaカード , 飛行機のチケットを含めて Wallet をガリガリ利用している。利用料金は無料で、利用データを追跡される恐れもない。 |
筆者の持っているデバイスがそもそもエクスプレスカードに非対応なので、これは後日きちんと国内支払いに対応したデバイスを入手して検証する。 |
❌ |
ウエアラブルとワイヤレスイヤホン |
言わずもがなの Apple Watch。筆者は Apple Watch の Wallet にも Suica を登録していて公共系乗り物はこちらを利用。QuickPay も ID、飛行機のチケットにも利用中。日々のアクティビティは Apple Watch で自動で計測したものが、iPhone のヘルスケアに連携し管理される。さらに Apple Watch は iPhone を忘れても単独で電話もできれば、Wallet での支払い利用も可能。 AirPods については、やはり iPhone などとセットで利用するのが最適だと思われるが Android でも利用は可能。 |
残念なことにAndroid スマートフォンに対応した、ウエアラブルで良いものは1つも無い。支払いができるものもほぼ皆無。アクティビティなどはとれるものは多いが、Apple Watch に比する製品というのは今のところ世の中には無いと思えた。 AirPods については、Android でペアリングして利用することは可能。Siri こそ起動はできないが、Google アシスタントを起動したり、バッテリーレベルを確認する Android アプリもある。 |
Apple Watch ❌ AirPods ⚪ |
iWorks |
Apple の Office スイート製品である Numbers , Pages , Keynote のデータ。筆者はほぼプレゼンテーション資料は Keynote で作成している。 |
Keynote については Mac コンピュータ利用が主なので、iOS デバイスでたまにプレゼンすることを除けば使えなくも問題ないのでここはスキップする。 |
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Keychain |
WebサイトやアプリのID、パスワードなどの自動入力サポートや、入力したクレジットカード情報、Wi-Fi、VPN、メールアカウントなどの全ての認証情報が記録されている。 |
筆者はこの認証情報は Apple だけに寄せておくのはかなり不便(会社は Windows)なので、Dashlane(有料) に完全に移行。ただし、iOS で同じ Apple ID にサインインしているApple デバイス間での Keychain 共有など便利な機能は諦めるしかない。 |
⚪ |
iCloud ドライブ |
Apple のオンラインストレージ。Keynote などの資料は全てここに保存しており、iOS アプリの保存先が iCloud のものも増えている。 もう1つ重要な利用方法があり、Macコンピュータの書類フォルダー、デスクトップの自動保存だ。Mac 使いにとって、これを使っているのと使っていないのでは、新しい Mac への乗り換えにかかる工数は段違いでとても大切だ。ただこのために 2T のストレージを契約する必要は無く、50GB 月額130円、または 200GB 月額400円で足りるのでやはり写真を移行するのは全体的に大きいポイントと思われる。 |
Keynote 以外のデータで言うと、Adobe 関連データは Adobe Creative Cloud に保存されており、Microsoft Office365 のデータは OneDrive for Business に保存されているので、iCloud ドライブは Mac コンピュータの書類フォルダー共有のためだけと考えるが良い。そうなると、左記の通り2T のストレージを契約する必要は無く、50GB 月額130円、または 200GB 月額400円で足りるのでサブスク契約も安価に抑えることができる。 |
⚪ |
AppStore アプリ、その他メディア |
AppStore の アプリ、Apple TV+、Apple Arcade、Podcasts、iTunesU、Apple Books などの無料や購入コンテンツがある。ちなみに筆者は Apple TV+ 1年間無料体験中なのだが、モーニングショー面白すぎて今止めろと言われても止められないw |
AppStore アプリ資産は残念ながら流用はできない。(データは別)そう考えるとなるべく Apple エコシステムの中で有料アプリを買わずに、Webサイトで直接ベンダーから購入できるものはしておいた方が無駄がなくて良いかもしれない。Apple Arcade、Apple TV+ は現在のところ Apple デバイスでしか利用できないが、Apple Music などのコンテンツビジネスの流れを見ていると、マルチデバイス対応になっていくのは間違いないだろう。 |
❌ |
タブレット即ち iPad と入力周り |
筆者は iPad Pro 11" 、iPad Pro 10.5"、iPad mini5 ユーザなのだが、タブレットに関して iOS デバイス以外で使いたいと思う物は今のところない。というかタブレットという選択肢がそもそも Apple 以外は既に取り組みを止めてる感が強い。 |
iPad は iPhone と比較すると仕事で利用する頻度が格段に上がる。Microsoft Office365 製品や、Adobe 製品、Keynote 、メモアプリなど、様々な仕事効率化ツールがあり、このサイズでここまでできるデバイスとしての移行先はなかなか見つからない。 |
❌ |
プライバシーデータ |
連絡帳、カレンダー、リマインダー、ブックマーク、ヘルスケアデータ、Siri ショートカット等 |
ここらへんのデータは移行ツールには事欠かない。筆者は Acronis Mobile を愛用しているが、連絡帳、カレンダーくらいは移行は楽に行える。(写真もそんなに無い人ならこのツールでまかなえる)リマインダーやヘルスケアは諦めて、Siri ショートカットは IFTTT に戻ればOK。 |
△ |
デバイスを探す |
iPhone は iOS 13 から通信できない状態のデバイスの位置情報も探せるようになり、デバイスの位置情報がオフでも探せる紛失モードロックもある。iPhone 11 ではUWBも装備して、デバイスを探す機能の強化がめざましい。 |
Google アカウントでログインしていて、通信が使え、Google Play が表示され、デバイスを探すがONであれば、android.com/find で自身のデバイスを探すことができる。もし Work Profile を利用していれば仕事データを削除することも可能。iPhone のように無通信でもデバイスが探せるなどは無いが充分足りる機能だと思われる。また SAMSUNG などのデバイスは独自に Galaxy アカウントを作成しておけば、iPhone よりも高機能なデバイス検索機能が利用可能で、直近50件のメッセージと通話履歴を収集することも可能。 |
⚪ |
アクセサリ類 |
iPad Pro 11" 用は USB-C ケーブルながら、その他は Lightning ケーブルのため再利用は不可。非接触充電器は利用可能。その他 Bluetooth 機器も利用可能。やっと対応した FIDO2 デバイスも Android は既に対応済み。 |
Lightning 関連アクセサリは諦めるしかないが、それ以外のケーブルや機器は基本的に利用可能。 |
⚪ |
改めて Android で iPhoneを使う
- My Apple ID に行く。(こちら)
- iCloud のアドレスでサインインする。
- 中段の「セキュリティ」部分にある、「App用パスワード」から「パスワードを生成」をクリック。
- ラベルとして Android スマートフォン名などのラベルを入れ、パスワードを取得しメモする。
- Android デバイスで iCloud アカウントや Apple サービスのサインインするときにこの取得したパスワードを利用する。
まとめ
特に最近の Android 陣営のデバイスのイノベーションはすさまじいものがあるので、筆者はあまり1つのメーカーに縛られるのもイヤなのです。Google はモーションジャスチャーでデバイスの操作をできるようになるそうですし、カメラが1億画素のデバイスも小米(シャオミ)やSamsunから登場します。ディスプレイ内蔵の指紋センサーも然りですが、Android デバイスはこれからの先端技術がいち早く体験できるデバイスであり続けるのは間違いありません。
もし、これを読んでるユーザの方が iOS デバイスや Mac の写真を保管するために iCloud ストレージを契約されていて、Amazon Prime ユーザなら Amazon Photo に今のうちに変更するのは良い選択かもしれません。それによって無駄なコストは抑えられますし、デバイスに縛られることもなく、変な時間のメンテナンスで慌てる必要もありません。(Apple が iCloudをメンテナンスするのは米国基準でやるので日本の平日真っ昼間になって希にパニックが起きます)
Apple Music がとても気に入ってるのであれば、契約はそのままで Android でも問題なく利用できます。
Apple TV+ や Apple Arcade のようなサブスクリプションサービスをフルに利用している人はもう少し待つ必要があるかもしれません。
Mac コンピュータを利用しているユーザは iCloud を止めることは厳しいでしょう。しかし iCloud はデバイスを止めてもサービスを使い続けることができますので止める必要もありません。
最も大切なことは、この小さなウエアラブルデバイスである Apple Watch で Apple Pay や電話などを便利に使っているユーザは、結局 iPhone から離れることはかなり難しいということです。単なるスマートフォンを移すだけなら簡単ですが、Apple Watch というデバイスのために iPhone を止められないという事実はかなり衝撃的です。そうではあってもサブ機として Android を使うのであれは、前述の通りかなり Android で iPhoneを使うことができるというわけです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。また来年もよろしくお願いします!