日々増え続ける音楽ライブラリが、16,000曲を超えた頃、私はiPhoneに音楽を入れて持ち歩くということの限界を知りました。大体において聴きたくなる音楽はデバイスに入ってないもので、デバイスに入ってる音楽は聴かれないことが多かったりします。そこで慎重に選曲して容量とのバランスを取りながら同期したりしてると、ふと「これってカセットテープや、MD に好きな選曲のコンピレーション作ってた頃の手間と変わらないんじゃないの?」と、思ったりするわけです。さらに音楽をギリギリのバランスで入れたところに、写真をジャンジャカ撮影したりするとまた一杯になって、また音楽ライブラリの中身の整理が始まるという具合で・・・今や 128G というiPhoneの容量は、もはやあって無いが如しと言いたくなるほどなのです。通信速度の高速化とデータ容量の関係は指数関数的に増大しますから、今後のデータ通信の高速化にもはや耐えられるポータブルメディアなんて無いのだろうと思われます。
さらに、そこにウェラブル機器やコネクテット機器が台頭してくると、大容量のものをそこに入れるというのは最早発想としてナンセンスなわけなであります。コネクテット製品に至っては、例えば冷蔵庫を開けたり閉めたり中身を入れたり取り出したりする度にデータが溜まっていくでしょうし、車はブレーキ、アクセル、ギア変速、ステアリング回転、窓やドアの開け閉め、ライトの点灯消灯、車体の傾斜、急発進、急停車、急転回など、あらゆる動作でデータが溜まっていくでしょう。このあらゆるところから生まれるデータを処理するのがビッグデータですが、さて、そのデータはどこに溜めればいいのでしょうか?
「デバイスは小型化しながらデータを大容量化する。」
これはメモリ電卓の頃から Personal Computer の歴史に至ってずっと繰り返されてきたジレンマなのです。これが解決できない限り、iWatch とかウェラブルデバイスなんて夢だよねって思いながら、iCloud の Documents in the Cloud やら、Photo Stream やら、iTunes Match はそれらを解決する重要なテクノロジーになるだろうと考えていました。(解決されない問題もまだありますが)
そんなこんなで、人生の半分をホテル暮らししている身では音楽体験は本当に重要なことで、 iTunes Match が使えると聞くや狂喜乱舞してすぐさま申し込んで、何日もかけて、音楽ライブラリのクラウド化に成功したというわけなのです。iTunes Match では Genuus mix が一々選曲しなくてもジャンル別に素敵なミックスを作ってくれるしで、正に楽園の如き音楽体験!と思っていたらそこに落とし穴があったのです。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクがやる通信規制のことです。本当に一瞬、何が起こった?!と焦って仕方ないのですよね。
各キャリアの通信規制は通信総量が 7G を超えると月末まで通信速度が 128Kbps に制限されるというものですが、ソフトバンクにだけ3日間に 1G という制限があり、これを食らうとまさにKO状態、普通の Web の閲覧さえ困難なほどの通信速度に制限され、iPhoneやiPadが通信機器として全く利用不可能になるという凄まじいまでの規制がかかります。
そうなのです、iTunes Match でホテルで仕事しながら何時間も iTunes Match を使っていると、実は凄まじいまでにデータ通信が裏で行われていて、知らない間にこの通信規制を食らってしまうというわけなのです。当然のことながら、海外でのローミングなども要注意。海外のホテルで寂しさ紛らわしにローミング状態で一晩中音楽でもかけてようものなら、「パケ死」すること間違いなしであります(笑)
皆さんも「ソフトバンクの規制死」にならないよう、iTunes Match を愉しまれるようご注意ください。こんな風になってみて、やはりデータ通信の料金は、定額制から docomo が始めたようなパケットシェア型の容量課金に戻っていくのかな?と感じた夏の夜であります。