DOS/V パソコンが流行する頃は、英語版の DOS を無理矢理日本語化する達人が沢山いて、彼らが国内の PC世界に一気にオープン化の波をもたらした。それまでパソコン=PC98 (8ビットパソコンは PC88)という完全なNECの独占市場だったパソコンが、DOS/V パソコンの登場で一気にオープン化した様は、携帯電話市場の8割を占めていたノキアが、iPhoneの登場によって駆逐され、一気にスマートフォンというオープンな市場にパラダイムシフトを遂げたのによく似ていると思う。
そんな DOS/V というPCはとにかく酷かった。何せ日本語フォントはビットマップで作られた代物で字は汚いし、「英語版のOSで日本語が表示できるだけ」と言っても過言じゃない状態が暫くは続いていた。その頃は日本語を入力しても表示しても、OSがよくクラッシュしたものだった。英語は表示する単独の文字数で言えば255文字に収まるのに対して、日本語は7000文字以上あるのだ。だからある文字を表示すると画面が崩れたり、システムがクラッシュするなんてのはしょっちゅうあった。それはボランティア達の手による作品ならではの品質なのだけど、世界中で使われているOSで日本語が少なからず使え、世界中で楽しまれたり、便利に利用されたりしているアプリケーションが日本でそのまま使えるというのは、少々のバグに替え難いメリットだったのだ。
なんていう古くさい話題を彷彿とさせるようなバグが iOS に存在していた。インドのテルグ語を表示すると下手をすると iOS がクラッシュしてリンゴループに陥るというのだ。OS の最も根幹を成す I/O (入力/出力)の部分でこんな基本的なことすら出来てなかったのかと耳を疑ってしまった。全ての文字表示くらいしてて当たり前だろと思ったけど、最近のAppleの品質はちょっとお粗末で悲しい。エンタープライズ面でも Apple Push Notification Service からの通知が届かないバグなんかがいくつも報告されている。これらももしそうなった場合は DFU モードにするしか無いという状況。PCもそうだったのだけど、どんどんハードウェアが高性能になり、出来ることが増え、情報量も格段に増えていくのに、製品の発表サイクルは据え置きにするから、そのトレードオフで品質が下がって行くんじゃないだろうか?
というバグが対処されているのが本 OS のバージョンというわけ。もう1つ、一部のサードパーティ製のAppが、外部アクセサリに接続できないことがあるバグにも対処されている模様。
セキュリティアップデートも同じなのでしょうかね??お疲れ様です。
・メモリ破壊の問題で、悪意をもって作成された文字列を処理するとヒープ領域が破壊される問題(CoreText)