特筆すべきなのは、今までの無料5G、有料 50G プラスで年額10,000円というプランから、大幅にユーザーが利用しやすいプランに値下げされたこと、iCloud Drive という DropBox や BOX 同様に、あらゆるファイルを保存できるオンラインストレージに戻ったということ。さらに、フォトストリームで二重に容量を圧迫していた方式も改善され、デバイスのストレージにも、iCloud にも優しい設計に変更されたことや、iCloud 上のフォルダーの中に Keynote や Pages など iCloud を利用するフォルダーが表示され、iTunes やそのアプリを介さずともファイルの出し入れが可能になったことなどが挙げられる。
さて、ここまでしてもらったら、私は以前から推奨している iOS デバイスのバックアップは iCloud に取るべきだという話しを、再度声を大にして言いたい。
何故 iOS デバイスのバックアップを iOS に取るべきなのか?それにはちゃんとワケがある。ビューワーとしての iPad や iPhone だったものは、今はデータを生成する中枢になりつつある。そこで生み出されるデータは個人にとっても会社にとっても、とても重要な資産である。現状の iTunes のバックアップポリシーというのは、設定情報、アプリケーションのバイナリ、メディアコンテンツ(写真、動画、音楽、ボイスデータ)のバイナリ、iTunes 可視エリアに保存されたデータが主なバックアップ対象であった。つまり iTunes の app タブのアプリケーション保存データとして見えないデータはバックアップされないというポリシーなので、Keynote や Pages や Numbers などのデータはファイルを iTunes 用のエリアに手動で保存しないとバックアップされなかったし、そこに保存されない LINE のチャット履歴やゲームの保存データは消滅という憂き目に遭う。
一方、iCloud へのバックアップは、設定情報、アプリケーション情報(バイナリはバックアップされない)、音楽のインデックス情報(音楽データはバックアップされない)、その他重要なコンテンツ(アプリケーションデータ、写真、動画、ボイスデータ)が保存される。待避されるデータは圧倒的に iCloud の方が多くリカバリした時の復元率も高い。(因みに iCloud からリカバリを行うと、アプリケーション情報を基にアプリケーションが再ダウンロードされた後に、データが復元されるような戻り方をする。)
これを推し進めていくと、写真や動画は全て iCloud に保存され、二重にアルバム容量を食うことなく、誰とでもシェアすることが簡単にできるようになり、あらゆるアプリの重要なデータは iCloud に自動的に保存されるようになり、不意のデバイス事故にも十分な備えができるようになる。加えて、音楽データも iTunes Match に置いてしまえば、あらゆるデータは iCloud を中心にいつでもどこからでも取り出せるようになり、ユーザーはウハウハ、アップルもウハウハという構図ができあがるわけ。
それが良いのかどうかはわからないが、今後ウェアラブルデバイス、スマートフォン、ファブレット、タブレット、何でも構わないが家族も含めた多くのデバイスのデータ全てを、自宅のPCに集中させるというデータ管理モデルが破綻していることも事実なのだ。
お金を床下の壺に隠すか、銀行に預けるかみたいな話しではあるが、皆さんはどうお考えになるでしょう?