最早 Java そのものがウィルスソフトになりつつある
何かを購入したのに、購入していないものを勝手にインストールさせようとする企業努力の裏には、Yahoo!ツールバーであったり、Askツールバーであったり、という検索サイト運営企業からの収入があるからやっているわけで、無料の Java は今やウィルスソフトの標的の的であるし、Java が無いと動作しないようなソフトもほぼ無くなりつつある昨今、使わなきゃ良いだけだ。だが ATOK は日本語入力にこだわりがあって、お金を出してまで購入するという人も多く、そういう人たちに対して購入してもいないものをインストールさせようとする浅ましいまでの企業努力は、不名誉な形で名前が出たときに「さもありなん」と思われても仕方ない企業姿勢だと感じさせられた。
Apple が Adobe Flash の搭載をやめたのは、Flash というクロスプラットフォームが、ベースとなるiOSの成長を鈍化させるものであることと、もう1つのプラットフォームとしてのセキュリティホールや脆弱性やバグが iOS 全体の信頼性を損なうものになるからである。クロスプラットフォームを切り捨てた Apple社は、次々と新しいスタンダードを iOS に搭載していっており、どんどん iOS もデバイスも魅力的になり、市場は拡大し、アプリケーションベンダーも新しい iOS に対応するためにバージョンアップを続ける、という相互成長戦略が功を奏している。
一方では Microsoft Office が成功したのは Office 上で動作するクロスプラットフォームとしての VB マクロに依存している部分が大きいが、同様にタブレットで失敗している理由も Office のマクロ依存故である。Microsoft の Surface RT は iPad を追撃できるだけのスペックとデザインを備えたデバイスだった。あの価格で Windows 互換タブレットで、Microsoft Office がバンドルされているのだから、真面目にやったら売れない理由がなかった。しかし Microsoft は Windows RT 用の Office をとんでもなく非互換なものに仕上げ、マクロなどの部分をバッサリ切り捨ててしまうことで、ユーザーに Windows デスクトップへの回帰を促すと同時にタブレット前線から離れていってしまったのだ。
しかし世の中はコンピュータのために机に向かう人は年々減り続けている・・・これはコンシューマだけではなく、ビジネスでも起きつつある現象だ。生産性を表す式では「時間」が重要なキーであり、これをいかに効率よく減らすことがどできるか?、それに取り組むことが企業でも急務になっているのだ。早くそれに気づき、早くそれを取り入れ、早く手間のかかるサーバーやデスクトップPCのお守から解放された企業は強い。今こそ iPad の活用を真剣に取り組むべき時がきているのではないだろうか。